社長・坂本毅の『バンベン日記』


 

 
2019,05,04, Saturday 04:37 PM


*本文とは関係ありませんが、よく部屋に遊びに来てくれた子供の写真を載せています。

校舎は夜の9時半を境に不気味な静寂と暗闇に包まれる。

それ以前とは全く違った世界となる。ボクは日本でも大学時代はずっと一人暮らしだった。しかし4畳半の狭いアパートに住んでいたので、夜は隣の電話の音やテレビの音に多少なりとも悩まされた。ここの夜は一人ぼっち。部屋の外は真っ暗で何も聞こえない世界。怖い夢もよく見たが、中でもはっきり覚えていることがある。

ある日の土曜日、仲のいい先生がボクの部屋にやってきて、「今から知り合いの葬式に行くが、君も来ないか」と言われた。全然知らない人の葬式に行っても意味がないし、面倒だったので断った。「それじゃ、君のカメラだけでも貸してくれないか」といってくるので、小型のカメラを貸してあげた。

翌日、日曜の夜、彼がカメラを返しに来た。ついでに現像が終わった写真も見せてもらった。死んだ人の遺影・きれいに彩られた棺桶・白装束の遺族・砂漠に穴を掘って棺桶を埋めるところなど克明に写真に収められており、彼が一つ一つ詳しく説明してくれた。

ついつい話し込んで気がついたら夜の12時を回っていた。彼は慌てて帰っていった。

ボクも早く寝なきゃと思い、すぐ寝床について電気を消した。しばらくすると変な感覚になった。

耳鳴りがする。ドアの外で物音が聞こえる。「何だろう?」でも怖くて目が開けられない。そのうちに部屋の外に一人の男が立っているのがはっきり見えた。目は閉じているのだが、なぜかはっきり見えた。

体は完全に金縛り状態。その男はしばらく部屋の外にいたがそのうちフッとドアをすり抜けて部屋の中に入ってきた。

すると一目散に部屋の隅々を荒らし始めた。何かを必死に探しているようだった。ボクはやばいと思いつつも体が動かない。殺されるかも、、、。恐怖感が極限まで高まっていたが、なぜかその男はボクには目もくれず、ひたすら何かを探していた。

しばらくしてその男はまた、スッとドアをすり抜け去っていった。やがてボクの金縛りは解けたが、また、その男が来るかもしれないという恐怖心から、朝まで眠れなかった。

朝6時、生徒たちが自習に現れる。校舎に「人間の世界」が戻ってきた感じ。やっと安心して寝ることができた。

9時ぐらいに目が覚めた。

ふと見ると、部屋の隅に昨日来た先生の上着が置いてあった。忘れて行ったのだろう。そして、そのうちポケットには昨晩見せてもらった一連の写真が入っていた。

これ以外にもなぜか時々怖くて眠れないこともあった。そして日本ではほとんど経験がなかったのだが、この部屋では寝ているときによく金縛りに遭った。

ずっと後の92年の9月にボクはその部屋を引っ越すことになりその後は怖い夢も見なくなった。

引っ越してからほかの親しい先生によく怖い夢を見ていたんだと打ち明けると、その先生は「やあ、僕もあそこでは一人で寝られないと思う。なんせ、あの校舎の西側、つまり君が住んでいたところは昔、墓地だったんだ。」

思わず絶句してしまった。

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